リスト: エステ荘の噴水

この曲のレッスンでコズモ先生と改めてお話ししたのは、「脱力」の大切さでした。特に、水の美しく繊細な動きを表現するためにソフトな音を出すときには、身体の力を抜くことがとても重要だと感じます。もちろん、どんな曲を弾くときにも脱力は欠かせませんが、この作品は特に、水の動きを思わせるトレモロなどでより一層その意識が必要だと思います。

練習動画で弾いている部分では、まるで楽園にいるような、美しい自然に包まれ、心が浄化され、癒されるような感覚を表現したいと思っています。コズモ先生は、「右手のトレモロは水の音、左手の旋律は天使の羽の音のようだ」とおっしゃっていました。先生の美しいイメージに感動したのを覚えています。

私が使っているブダペスト版の楽譜では、この部分に「p(ピアノ)」という指示が4回も書かれています。ですから、右手のトレモロは鍵盤から指をほとんど離さず、手首の動きを使って、鍵盤の中で弾くようにしています。音をコントロールするには、強い音でも繊細な音でも、指先をリラックスさせ、感覚を研ぎ澄ませることがとても大切だと感じます。

水や自然を思うとき、もちろんその壮麗さに圧倒されますが、同時に、小さな水滴の中にも壮大な宇宙を感じることがあります。水滴の中を覗いてみると見える、空の色や木々の影、愛する人の顔、水のきらめき……。

この作品を通して、自然の美しさを表現し、聴いてくださる方々の心を少しでも楽園のような場所へ導くことができたら、とても嬉しく思います。

そしていつか、エステ荘を実際に訪れる日が待ち遠しいです!

 

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