偉大なピアニスト、ブレンデルを偲んで。1931-2025 (2025年6月20日)
左から右へ:アルフレッド・ブレンデルの最後のインタビュー。素晴らしいユーモアのセンス。バガテル「エリーゼのために」の見事な演奏。リストの「巡礼の年」より「ワレンシュタットの湖で」の演奏。
私がまだ幼かった頃に引退していたため、生で演奏を聴く機会はありませんでした。でも、故アフレード・ブレンデルの素晴らしさ、演奏で注目すべきことをコズモ先生からたくさん教わりました。
彼は数多くの録音を残しています。これらを通じて、私はたくさんのことを学ぶことができました。解釈や表現技法、いかにシンプルにするか、あるいは逆か。ブレンデルの演奏は、見事なバランスで聴衆を惹きつけてやみませんでした。
例えば、私は常に休符つまり「間」の使い方を研究し、工夫して演奏するよう努めていますが、この点でもブレンデルは非常に刺激的で素晴らしい演奏をしています。彼の、シューベルトのピアノ第21番変ロ長調 D.960を是非お聴きください。私はこの録音を聴いたとき、コズモ先生から教わったベートーヴェンの言葉「休符は音符と同じくらい重要だ」という言葉を思い出さずにはいられませんでした。
ブレンデルの音は美しく、温かみのあるものです。さらに、誇張することなく伝える表現力には多くの人が驚かされたのではないでしょうか。非常に穏やかに、語りかけてくるような彼の音楽。世界中のどこかで今も誰かが演奏している「エリーゼのために」ですが、少し聴いただけで彼のすごさがわかります。
先生が教えてくださったもう一つの興味深い点は、彼がほとんど独学で音楽を学んだということです。それは本当にすごいことだと思います。彼の音楽、表現、解釈のすべてに、彼自身の魂が宿っている!と改めて感じました。