リサイタル・プログラムの計画 パート2:どんな場所?どんなお客様?

コンサートで、どうすればお客様に喜んでいただけるか考えるとき、私はよくベン図を思い浮かべます。

そこには2つの円があります。「会場とお客様が何を求めているか」そして「私ができること、やりたいこと」です。この2つの円が重なる部分がプログラムになりますが、なるべく重なる部分が大きくなるように方法を探ります。

例えば、10月にニューヨークで開催するリサイタルでは、イタリア文化遺産保護団体であるCCFの世界と私自身の世界を重ね合わせて考えます。

まず、メンデルスゾーンの作品30-6「ヴェネツィアの船の歌」とリストの「エステ荘の噴水」という2曲を選びました。また、夜のリサイタルということで、その雰囲気や時間帯に合うようにプログラムの構成を考えました。お聞きいただく皆さますべてに届くよう、2つの円ができるだけ重なるように努めます。

何度も演奏された曲でも新しい曲でも、良い演奏を聴くと新しい考えが思い浮かんだり、これまで行ったことのない心の世界へと旅したり、思いがけないアイデアが閃いたり、深い思考の内なる対話を刺激してくれるはずです。また、気づかなかった自分の中の優しさや温かさを発見し、明るく、勇気づけられ、幸せな気持ちにさせてくれることもあります。

最高の音楽とは、私たちの心と魂の奥深く、もしかしたら初めて発見するかもしれない場所へと連れて行ってくれる、素晴らしい旅のようなものです。

明日は、私がメンデルスゾーンの演奏で使っているテクニックをいくつか紹介しますので、ぜひご覧ください。ありがとうございます。

 

下のアイコンをタップして、このブログをソーシャル メディア、メール、またはお気に入りのメッセージ アプリで共有してください。

前へ
前へ

リサイタルプログラムの計画、パート3:大好きな曲を演奏する

次へ
次へ

リサイタルプログラムの計画 ― パート1