コンサートホールの「直接音」と「反射音」
(左から)『夜のガスパール』より「オンディーヌ」(チョ・ソンジン、カーネギーホール)、ショパン 練習曲Op.25-1イ長調(ベアトリーチェ・ラナ)、『スペードの女王』より「あなたを愛しています」(ディミトリー・ホロストフスキー)、『セヴィリアの理髪師』より「私は街の何でも屋」(ペーテル・マッテイ)
もうすっかり秋、本格的なコンサートシーズンがスタートしました。夏休みから戻ってきた人々が、秋、冬、来春にかけて世界中のコンサートホールで、素晴らしい音楽を楽しむことでしょう。
みなさんは、コンサートホールのどの席に座るのがお気に入りですか?私は、座席によってどのように聴こえ方が異なるのか知りたくて、これまで様々な座席を試しました。
例えば、カーネギーホール。チョ・ソンジンの公演を1階席(パーケット)で、ベアトリーチェ・ラナの公演を最上階(5階、バルコニー)で聴いたことがあります。今シーズンもカーネギーホールで演奏する予定のお二人ですね。メトロポリタン・オペラでは、『セヴィリアの理髪師』を1階席(オーケストラ)で、『スペードの女王』を最上階(6階、ファミリーサークル)の席で聴きました。
これは、座席の位置によって届く音色がどのように変わるかを確かめるために、あえて選んだ席でした。1階席は演奏者の表情やしぐさがよく見えるので、臨場感たっぷり。最上階の席にはとても美しい音色が響いていました。特にメトロポリタン・オペラで聴いた『スペードの女王』の「愛しています」というアリアの美しさは忘れられません。
東京のサントリーホールで内田光子の演奏を聴いた時は、ステージを見下ろす席を選びました。指の動きをじっくり見たいと思ったからですが、まるで自分が演奏しているかのような感覚で、とても貴重な経験でした。
演奏する時、コンサートホールでも練習中も、私は音を様々な方向へ飛ばすよう意図しています。音に「方向性を与える」ことが音楽の説得力を高めると信じているからです。
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