リストの「リゴレット」パラフレーズについての考察(2025年7月7日)

少し前の私のブログに、ニューヨークのコロンバス・シチズン・ファンデーションでのコンサートの演奏動画があります。

私は日本での凱旋公演ために帰国しましたが、今、ニューヨークで経験したこと、ソリストとして、そして伴奏者として演奏することが、ピアニストとしての私の仕事全体にどのような洞察を与えてくれたかについて、じっくり考えを巡らせています。

まず、ソロ曲を演奏するときは、解釈と表現の責任は私だけにあります。テンポ、ルバート、音量といった要素は、私が全責任を負わなければならない要素です。

しかし、共演者として伴奏を務める場合は、文字通り、共演しなければなりません。他のソリスト、つまりオペラ歌手の方々と十分にコミュニケーションを取り、彼らの解釈を完全に理解するだけでなく、呼吸、テンポ、タイミング、間、そして特に強調したい言葉やフレーズの箇所といった彼らのニーズも把握しなければなりません。

このプロセスは、その性質上、慎重かつ厳格に行う必要があります。なぜなら、最終的にはすべてのアーティストが、作曲家のメッセージが可能な限り最良かつ完全に伝わるようにしたいとそれぞれ考えているからです。これはまた、準備に多くの時間を費やし、楽譜の意味を完全に理解する必要があることも意味します。

また、ソロ曲では、例えば、「リゴレット」パラフレーズの場合、私はそれぞれのメロディーをまず分解しました。ヴェルディが作曲し、リストのインスピレーションの源となったオリジナルの四重奏曲を分解、分析し、再構築しました。その後、ピアノ編曲版のそれぞれのメロディーを、オリジナルの四重奏団の歌手たちと同じように「歌わせ」ました。そうすることで、聴き手はそれぞれのメロディーを心から味わうことができるのです。

冒頭にあるのは、リストが「リゴレット」パラフレーズで用いた4つのメロディーそれぞれの歌詞です。下記は、オリジナルの四重奏団の4つの異なる演奏です。歌手によってそれぞれどのように違うのかお分かりいただけると思います。お楽しみください!

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