バッハについての考察
バッハ : パルティータ 第2番 シンフォニア BWV 826練習風景2
バロック時代は非常に感情的な時代でした。音楽史をより「知的」な時代と「感情的」な時代に分けると、ルネサンス時代と古典派時代はより知的で、バロック時代とロマン派時代はより感情に突き動かされた時代と言えるでしょう。コズモ先生によると、バロック時代の作曲家や演奏家は感情を表現する新しい方法を模索していたようなのです。
バッハに関するエッセイ「インヴェンション 第1番 解釈の手引き」(コズモ・ブオーノ著)にあるように、強弱の幅が限られ、鮮明で明瞭な音色のチェンバロでは、演奏に表現力を加える手段としてルバートを用いる必要がありました。
チェンバロには2段の鍵盤があるため、演奏者は上段の柔らかい音色の鍵盤に切り替えることで、音色を変えたり、強弱のコントラストを演出したりすることもできます。現代のピアノでは、より幅広い強弱や音色の変化が可能なので同様の表現効果を得ることができます。
フレージングもまた非常に効果的なツールです。八分音符を切って弾くことで毅然とした個性を打ち出し、スラーやレガートを効かせたアプローチはより柔らかく親密な響きを生み出します。
このシンフォニアでは、動画を是非見ていただきたいのですが、お分かりの通り、冒頭は比較的レガートのフレージングを使用し、続くドラマティックなフーガでは八分音符をより一貫して切っています。
バッハの音楽はそれ自体ですでに素晴らしいものですが、ルバート、フレージング、強弱の変化といった繊細な表現要素を加えることで、彼の思想をさらに輝かせ、演奏者それぞれにとって個性的な解釈を生み出すことができます。
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