今日から1年後 ― カーネギーホール!(2025年5月3日)

左から右へ:毎日の練習風景、ベートーヴェンと共に私の研究に影響を与えているリヒャルト・ワーグナー。パスタと新鮮なオレンジで南イタリアにいるような気分。ニーナ・シュテンメとローランド・ペンティネンのコンサート。

カーネギーホールでのソロ・デビュー・リサイタルがちょうど1年後に迫り、とてもワクワクしています。それまでの間、たくさんの課題があることは承知していますが、コズモ先生やアレキサンダー氏のような先生方に支えられ、このデビューをますます広がるキャリアの一部とすることができたことに、心から感謝しています。

ここニューヨークは春から夏へとあっという間に移り変わり、母と私はいつも以上にニューヨーク中を動き回っています。今日、先生からマファルディーネというパスタをいただきました。これはラザニアを細長くしたような平たいパスタで、波打った溝のおかげでソースがよく絡みます。言い伝えによると、このパスタはイタリアの王女マファルダにちなんで「マファルディーネ」と名付けられたそうです。マファルダは流れるようなウェーブヘアで知られ、その髪型がパスタの形に影響を与えたそうです。そのため、「レジネッテ」や「小さな女王」と呼ばれることも!先生は、とても新鮮なオレンジもくださいました。もう、私の心は一気に南イタリアに飛んでしまいました!

このパスタの贈り物を見て、母と私は夕食にどんなソースでこのパスタをいただこうかと考え始めました。トマトソース、ラグーソース、オリーブオイルベース、ペストソース、トマトクリームソース、カルボナーラソースなど、挙げればきりがないほどたくさんのソースについて話し合いました。考えすぎた結果、レモン、アボカド、イタリアンパセリを使おうかと言い出した母でしたが、私はシンプルなトマトソースで大丈夫だと止めました。それでも結局、母はドライトマトとタイムでアレンジをきかせました。夏らしくてとても美味しかったです。

こんなにもたくさんの種類のパスタがあるのは、それぞれソースの絡み方や食感が異なり、その違いが絶妙な味わいをもたらすからなんですね。これはとても興味深く、色々なパスタを試すのがますます好きになりました。

2025年5月9日にニューヨークでのリサイタルが控えているので、練習にもっと時間を使うことになりそうです。私は目標に向かってストイックに突き進んでしまう性格なのですが、母と猫たちがそばにいてくれることで、良いバランスを保てているように感じます。

昨日、カーネギーホールでニーナ・シュテンメがワーグナーを歌うのを聴いて、ワーグナーとベートーヴェンの関係について深く考えました。ワーグナーの音楽や歌詞が壮大なテーマ、普遍性、真理、そして宇宙的な法則に満ちているので、ベートーヴェンの音楽を演奏する時、そしてその流れを汲むリストの音楽を演奏する時も、ベートーヴェンの宇宙的な思考プロセスを感じずにはいられませんでした。

練習に関しては、最初のウォームアップからとても楽しく行うことができました。いつも最初は音階を弾いて、滑らかに弾くことや指や体の感覚を研ぎ澄ますといった技術的な側面に集中するのですが、今日はそれに加え、表現的な視点、具体的には調性ごとに感じる感情をイメージしながら演奏しました。ささやき声、郷愁、激怒、軽やかさ、偉大さ。どんな風景?どんな匂い?どんな感情?このように音色を変えることで、私の感性はさらに研ぎ澄まされ、先生の素晴らしいスタインウェイもとてもよく反応してくれて、とても楽しかったです。

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