レオン・フライシャー

レオン・フライシャー (1928—2020)

今日は、史上最も多くの人に感動を与えたピアニストの一人、レオン・フライシャーの誕生日をお祝いします。1928年7月23日に生まれた彼は、若くして世界屈指のコンサートピアニストとなりました。しかしその後、彼のキャリアを終わらせかねない事態が起こります。「局所性ジストニア」という神経系の疾患により右手が使えなくなり、愛する楽曲の多くを演奏することが不可能になってしまったのです。人生のすべてを捧げて準備してきたものを、突然奪われてしまうことを想像してみてください。多くの人がそこで諦めてしまうかも…。しかし、彼は別の道を選びました。

「なぜこんなことが自分に起きたのか」と嘆く代わりに、「今、自分に何ができるか」と問いかけました。そして、左手のために書かれた美しい音楽を見出し、演奏や指導を続け、音楽への愛を人々と分かち合い続けたのです。進むべき道が変わったからといって、音楽家としての未来が終わったとは決して認めませんでした。これは、すべての若い音楽家が心に刻むべき教訓です。自分の身に起こる出来事をコントロールできないことはあっても、それに対してどう向き合うか、どう反応するかは、常に自分で選ぶことができるのです。

長年にわたる不屈の精神、治療、そして数え切れないほどの努力の末、フライシャーは徐々に右手の機能を取り戻し、再び両手で演奏できるようになりました。彼の復帰は世界中で祝福されましたが、人々が何よりも称賛したのは、単に再び演奏できるようになったことだけではありませんでした。その日が来るかどうかも分からない長い年月の中で、彼が見せた勇気こそが称賛されたのです。彼の物語は、成功とは困難に直面しないことではなく、困難によって自身の成長を妨げさせないことなのだと教えてくれます。

音楽家であれば誰しも、心が折れそうになる瞬間があります。曲がなかなか仕上がらなかったり、オーディションが思い通りにいかなかったり、あるいは怪我で休養を余儀なくされたりすることもあるでしょう。そんな時こそ、レオン・フライシャーのことを思い出してほしいのです。才能も大切ですが、それ以上に力強いのは「粘り強くやり抜く力」であることを、彼の人生は教えてくれます。私たちが直面する障害は、必ずしも物語の終わりを意味するものではありません。時にはそれらの障害こそが、私たちをより優れた芸術家、そしてより強い人間へと成長させてくれる経験となるのです。だからこそ、生誕から1世紀近くが経った今でも、レオン・フライシャーは私を含め、あらゆる世代の音楽家にインスピレーションを与え続けているのです。

 
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終わりと始まり