ユジャ・ワンに学ぶ パート2 (2025年8月7日)

ピアニストのユジャ・ワンが2014年に英国放送協会(BBC)のインタビューを受けました。

ユジャ・ワンは、今日の音楽シーンで偉大なピアニストの一人ですが、世界の他のピアニストと多くの点で異なります。

母親はダンサー、父親はパーカッショニスト。6歳からピアノを学び始め、21歳までにドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだユジャ・ワン…私は、2014年にロンドン交響楽団との公演の際の、BBCのインタビューを大変興味深く視聴しました。

クラシック音楽家にとって、彼女から学ぶことは非常に多くあります。そこで、今後数回の投稿で、インタビューの内容とそれに対する私自身の意見も交えながら、投稿したいと思います。

BBC:インスピレーションはどこから得ているのですか?

YW:読書、映画鑑賞、ショッピング、そして人生を楽しむことから多くのインスピレーションを得ています。演奏活動を通して、普段なら訪れることのなかった場所へも足を運んでいます。

全く同感です。クラシック音楽は衰退しつつあると長年言われてきましたが、それでも毎年、世界中の舞台で、意欲的な若いコンサート・アーティストが誕生しています。

真実は、クラシック音楽の世界で音楽家が成功を収めるのは常に困難だったということです。しかし、困難であっても、不可能ではありません。

求められることが厳しく、成功するのが難しい職業は他にも数多くあります。科学者は、新しい技術や機械を発見し、それを市場に投入するまでに何年もの努力が必要です。偉大な作家は、信じられないほどの困難を乗り越えながら、生涯をかけて傑作を書き上げることもあります。名声を博した多くの歌手も、何十年にもわたる努力の末に有名になったのです。

クラシック音楽でキャリアを積みたいという願望は、名声や富への欲求よりも、情熱、意欲、そして粘り強さと深く関係しています。ほとんどの人が忘れがちなことですが、名声は何かをうまくやったことの副産物に過ぎず、名声とそれに伴う富を得るには何年もかかるということです。

誰もが天才として認められるわけではありませんし、たとえ認められたとしても、成功し続けるためには、毎回のパフォーマンスを前回と同等かそれ以上にしようと努力する必要があります。

コズモ先生やアレキサンダーさんがいつもおっしゃっているように、保証などないという事実も重要です。大きな才能は確かに必要ですが、クラシック音楽は産業であり、ビジネスでもあります。つまり、音楽もまた他と同じようにビジネスであり、すべての投資が大きなリターンをもたらすわけではありません。

ですから、成功するには、適切な職業上の人間関係を築くことも必要です。チームに迎え入れたいと考えているマネージャー、話を聞いてくれる立場にある音楽団体の代表、そして研究やキャリアアップに投資することに関心を持つ個人や企業に会う必要があります。音楽も、ビジネスなのですから。

実際には、クラシック音楽は今も健在です。なぜなら、クラシック音楽に取って代わるものは何も存在しないからです。世界中の聴衆は今も偉大な作曲家の作品を聴きたいと願っており、音楽院には今もなお、次世代の偉大な国際的アーティストを志す学生たちで溢れています。

クラシック音楽は人気が重要なのではなく、コミュニケーションが重要だと思います。聴衆と繋がり、彼らにインスピレーションを与えること。そして、それはこれまで常にそうでした。

音楽を聴くためにカセットテープやCDプレーヤーがYouTubeやSpotifyにかわったように、電話ボックスやダイヤル式電話が携帯電話にかわりました。でも、私たちは今も大切に、コミュニケーションを続けていますね。

 

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