ピアノの「ピッ」!

自分を「何者」だと思っていますか?

マルクス・アウレリウス(121年 - 180年)

マルクス・アウレリウスはローマ皇帝であり哲学者でもありました。ある伝記作家によれば、彼は温厚さ、友情、そして深い愛情を持つ人物として知られていたといいます。彼は、ストア派哲学の実践者とされています。この哲学は、私たちが自らの感情に対処できるよう考案された一連の思想であり、状況が困難になればなるほど、冷静かつ自制心を持って対処できるように導いてくれるものです。

一般的に多くの人々、とりわけ表現者(パフォーマー)たちは、「私は、誰かが評価したその程度の価値しかない人間だ」と受け入れて人生の大部分を過ごしてしまいがちです。もし誰かに「きれいだ」「賢い」あるいは「機転が利く」と言われたら、それをそのまま「自分という人間の定義」として受け入れてしまうのです。

それと同じように、もし誰かが私たちのことを「稚拙だ」「ダサい」あるいは「愚かだ」と評したとしましょう。すると私たちは、その相手の意見がもっともだと感じてしまい、シンプルに受け止めるだけでなく、それが「真実」であると認識してしまうのです。

おそらく、マルクス・アウレリウスの最も有名な名言の一つが、この考えの答えになっています。そして、これが今週の「ピッ」!ひらめきの瞬間です。彼の名言は…

「魂は、日頃抱いている考えによって、その色彩を帯びるようになる。」

このことを、よく考えてみてください。これは非常に強力な真理です。なぜなら、この言葉が意味するのは、〈あなたが自分自身について考えたことが、実際にあなたにとっての真実になってしまう〉ということだからです。

その思考は、あなたの魂の隅々まで深く浸透します。その結果、ただ誰かがあなたの真の価値を理解しなかったというだけの理由で、あなたは自分自身の価値を、本当に、実際以上に低く見積もるようになってしまうのです。

だからこそ、他の誰かがあなたのことをどう思おうと、【自分自身が自分をどう捉えるか】ということが、常になによりも重要でなければならないのです。

表現の場においては、このことは特に顕著です。なぜなら、舞台に立つとき、私たちの多くは「自分ができる限りの最高の仕事ができているか」「自分の持てる能力をすべて発揮できているか」ということよりも、「観客が自分をどう思うか」を過剰に心配してしまうからです。私たちは、公衆が下す才能への評価の方が、誰よりも懸命に働き、学び、練習を積み重ねてきた当人である『自分自身』による評価よりも重要である、と決めつけてしまっているのです。

これこそが、非常に多くの人々が、本来あるべき自分よりも自分をずっと低く見積もってしまう原因となっていることです。例えば、コンクールで優勝できなかったり、心から達成したかったことに失敗したりすると、自分には価値がなく、尊敬されるに値せず、誰からも好かれる資格さえないのだ、と決めつけてしまうのです。

もし思い当たるなら、今すぐやめなければなりません。即!です。代わりにあなたは、自分という存在のすべて、そして将来なりたいと願う姿のすべてを肯定することから始まる『自己評価』を築く必要があります。もし、最高の自分であるために、あるいは自分の技術を磨き、自身がなり得る最善の姿になろうと、多大な労力と時間、そしてエネルギーを注いでいるのであれば…。もしあなたの望みが、自らの才能と精神を最大限に高めようと努める、善良で、誠実で、公平で、親切で、まともな人間であることなら…。そして、もしあなたが知性を養い、困難に対してできる限りの力で立ち向かおうと日々努力しているのであれば…。そのとき、『自分が自分をどう思うか』という認識は、他人があなたをどう思うかよりも、常に重要でなければならないのです。

マルクス・アウレリウスは正しかったのです。もし許してしまえば、自分という人間やそのポテンシャル、能力の限界について他人が抱くネガティブな考えは、私たちの思考の奥深くにまで入り込んで来ます。その結果、私たちは〈能力を最大に発揮できる自分〉ではなく、〈他人が勝手に決めつけた程度の自分〉にしかなれなくなってしまうのです。これは、自分自身の素晴らしい長所には価値がないと自分に言い聞かせ、周囲に完全に受け入れられるためには「どれほど努力しても足りない、今の自分では不十分だ」と思い込んでしまうことを意味します。もしこのような態度をとってしまえば、自分自身の運命を、そして偉大さを手にするはずの可能性を自ら破壊しながら、一生を過ごすことになりかねません。

そんなことは、決して許してはなりません。「自分は偉大なことを成し遂げられる人間だ」と、自分自身で決めるのです。あなたは、人々から称賛され、敬意を払われる人生を歩む運命にあります。なぜなら、あなたは一分一秒、毎日欠かすことなく、自分の中に眠る善意を見つけ出し、それを糧にして、最高に知的で、機転が利き、優しく、そして誇り高い人間になろうと励んでいるからです。なぜそうすべきなのか? それは、あなたが自分をどう思うかということが、他人があなたをどう思うかよりも、常に重要であるべきだからです。

あなたの魂を染め上げましょう。ただし、あなた自身の筆から生まれるあなた独自の色彩で。