ショパン ピアノ・ソナタ 第3番 第1楽章 Op.58 ロ短調 アレグロ・マエストーソ

ショパン ピアノ・ソナタ 第3番 第1楽章 Op.58 ロ短調 アレグロ・マエストーソ


このソナタの練習を始めるずっと前から、多くの人が、これがショパンの最も難しい作品の一つであると言っていたのでとても興味深かったのですが、私にとって難度よりも重要なことがありました。それは、この作品が伝えるメッセージ、そしてそれをどのように伝えるのが最善かということです。

ショパンはこのソナタでピアノという楽器の真髄を存分に発揮しています。そのため、私にとって非常に重要だったのは、彼がこの作品に込めた「深み」をすべて引き出すこと。そして、ソナタの形式と構造のルールを全て守りながらも、聴き手を真の音楽の旅へと誘うということでした。

この第一楽章は、その全体的な構成からソナタ・アレグロと考えられているようです。これは古典派を代表する形式であり、ソナタだけでなく、交響曲や協奏曲といった他の器楽音楽にも用いられました。基本的な構成には提示部、展開部、再現部といった要素が含まれていることを踏まえ、私は各部分に可能な限り多く、深く、自分なりの解釈をして、それらをまるで真珠の粒をつないでネックレスをつくるように、個々のセクションがそれぞれ輝きながら、且つ、全体としても光が放たれるようにと考えました。

私にとって最初の小節は、主題の単なる提示ではなく、宣言。ほとんど一種の宣言となりました。力強く、直接的で、確かなもので、それに続くすべては、主題の事実を言い直すような感じで、テンポの指示が示唆するように、楽章全体を通して荘厳に続く一つの基本的な真実を強化するものとなりました。

 

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ショパン ピアノ・ソナタ 第3番 第2楽章 Op.58 変ホ長調 スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ

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