より教養の高い芸術家になる
「呉下の阿蒙」の故事は、学習と演奏へのアプローチ方法について私に多くのことを教えてくれました。
中国・三国時代の呉の武将・呂蒙は、戦場では輝かしい才能を発揮しましたが、特に教養の高い人物ではありませんでした。呉主である孫権は、有能なリーダーとしての能力を高めるために、「武勇ばかりではなく学問も修めたほうがよい」と呂蒙に助言し、それが彼をより優れた戦士へと導きました。
それは、彼のコミュニケーション能力の向上にも役立ったことでしょう。武術一辺倒だった彼が学問を修めた後、彼の戦果はさらに輝かしいものになりましたが、その背景には、戦いに勝つために何が必要かということを自分自身で言語化し、整理し、表現する能力が向上したことがあると思うのです。
音楽家にとっても、音楽以外のことを学ぶことは同じように重要です。その楽曲と作曲家の意図をより深く理解することで、アーティストは聴衆に伝えたいメッセージだけでなく、それをどのように表現するかについても、より深く理解できるようになります。
呂蒙は依然とは別人と思われるほど深く、真に学びましたが、そのようにより高度な教育を受けた音楽家は、ピアノの音符が何を伝えているのか、そしてそれらを使って作品をどのように表現すべきかを学び、より優れたアーティストへと成長します。